谷川岳一ノ倉沢東尾根ソロ
2003.2.9~11

土合より一ノ倉沢出会までは、トレースがありワカンの必要もなく1時間程度でスムースに到着。そのままトレースを追って一の沢へ入る。一の沢からはトレースは薄くなる。雪はクラストでノーアイゼンので進む。強風のためあられ状の氷が上部から降り注ぐ。昼過ぎたあたりからは小雪崩(幅1メートル程度で川のように流れてくる)があり、極力避けながら進むが、雪が深く苦労する。ようやくシンセンのコルに到着。ここでアイゼンをつける。すぐに露岩が現れる。雪の状態が悪く直登することが出来ず、残置ハーケンの残されたスリングを伝い一ノ倉沢側より巻く。露岩のわきの草付きにピッケルを打ち込み、しばらく躊躇したのち全体重を預ける。今回はロープその他の登攀具を持ってきていないため、草付きに打ち込んだピッケル一本だけが頼りとなる。もちろん墜ちたら止まらないだろう。心臓が高鳴り足も震える。(このあたりのハートの弱さが無くなればなー・・・)また、ロープを持っていないので進むと、退却の可能性は限りなくゼロに近い。悩んだあげく、オーバーグローブを外し、何となく岩を触りながら越える。しばらく雪稜を進み第2岩峰手前まで来る。ガスっていて第2岩峰上部は見えない。先刻の露岩で気持ちも萎えてしまっていたので、雪洞を掘ってビバークする。約30分の作業で、中で片肘を突ける程度の雪洞を掘る。中でさっそく砂糖たっぷりの紅茶を飲む。夕食は先日に「どきキャン」で子ども達とついたおもち。くらくなる前に眠る。雪洞の外はうなるような風で、入り口のツェルトが大きな音を出していた。
10:00土合−シンセンのコル13:30-第2岩峰手前15:30

昨日はガスって見えなかった第2岩峰が雲の隙間から見える。ガイドによると一ノ倉沢側から巻けるとある。傾斜の強い雪壁をトラバースする。朝の寒さで雪はクラスト状態。ピッケルのシャフトを突き刺し慎重にトラバースする。第2岩峰を越えると、これまだ難度も事故が起きている雪庇帯。ここは単独の場合は「気をつける」しか対策はない。急いで通過すると第1岩峰にぶつかる。出だしには残置スリングもありピトンもある。ガイドにはここも一ノ倉沢側から巻けるとあるが、かなり急なトラバースで迷う。結局トラバースすることにする。体感的には90°近いトラバースだが雪の状態が良く、何とか越える。最後の雪壁をのぼり、左端の雪庇が薄くなっているところを乗っ越すと感動的な景色が広がる。記念撮影をして西黒尾根より下降する。ラクダのコルを少し過ぎたあたりから雪庇の崩壊線というか亀裂が走っている。急いで下り土合の登山指導センターに着く。
6:30第二岩峰手前-8:30山頂-10:30登山指導センター
おまけ
のんびりしているとバックカントリーボーダーに会う。聞けば「一ノ倉沢を滑りたい」とのことだ、東尾根を登るつもりだと言うが、スノーシューしか持っていないと言う。「自分の感じではアイゼン・ピッケルは最低必要だと思う」と言うと、「いけるところまで行く」と言っていた。「僕の方は予備日としてとっていた11日が空いたので、どこか滑りたい」と言うと、「今日今からでも大丈夫だよ」と教えてくれた。車に戻りさっそくスキーを取り出してゴンドラに乗り天神尾根に向かう。11日の下見で西黒沢を滑る。別パーティーはマチガ沢をねらっているようだ。腐った雪を滑り降り湯テルメで体をほぐす。
11日マチガ沢をねらって朝一のゴンドラに乗るものの、霧が濃く、天神尾根リフトが動かない。1時間ほどして動き出したリフトに乗り、天神尾根を進む。雪も降り始めマチガ沢はあきらめせめて山頂をと進むが、ふとした拍子にストックを一本落としてしまう。あっという間に谷底に消えていってしまった。自分のふがいなさに腹を立てながら昨日とは別ルートで西黒沢を滑る。マチガ沢の滑降。次回の課題だ。

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