信州・米子不動
2003.2.28〜3.2

 アイス初めて2回目で、米子不動はやはり早すぎた。カネゴンと、どこに行こうかと相談していた。ちょうど3/2から戸隠で実習があったので、信州方面がいいなー、などと言いながら探していた。大谷不動も候補に挙がったのだけど、「登れなくても日本で一番クラスの所に行こう」ということで米子不動行きが決まった。終わってみれば完敗だったけど、打ちのめされたけれども「もっと強くなりてー」と思った。カネゴンとアルパインをするようになってから、適当なグレードの所を登ってきた。それなりの満足感はあったけれど、自分たちの力を出し切ったかというと、まだ余力はあった。今回米子不動で完全に打ちのめされて、もっと強くならないとダメだと思ったし、今後につながるものだった。
米子不動に向けて
これから米子不動を目指す人や、次回の挑戦のために今回感じたことをまとめておきます。
米子不動のアプローチは林道を利用する。今回僕はアルペンスキー・ブーツ・シール・ヒールフリーのアタッチメント(セキュラフィックス)、カネゴンは滑り系のテレマーク・テレプラブーツ・シールを用いた。林道部分はこの組み合わせで問題なく進むことが出来るが、最後の沢を詰める部分は苦戦した。コースガイドでは約30分とされるところを、2時間程度かかってしまった。おそらく一番良いと思われるのは、ツアー系(ステップカットあり)のテレマークもしくは山ビンディング。クライミング用のブーツはやはり背負わなければならないのかなぁ?荷物は計ってないから分からないがなかなかヘビーになってしまった。
アイス用のギアは、僕はDMMのFLYを両手に持ち、アイゼンはシモンのマカルー?(アイス向きだが横爪12本)。カネゴンはTRANGOのCAPTAINHOOK両手で、シャルレの横爪12本。両者ともマルチユースを求めたギアで、米子不動のような垂壁・ハング・つららではけっこう厳しかった。また、リストループも付属していたもので、使い勝手が悪かった。結局はフリーをあきらめたが、フィフィを持っていなかったためかなり厳しいものとなった。米子不動の各滝を攻めるなら、トレーニングを積んで先鋭的なギアで攻めるか、アックステンションしての登り方を練習してから行く必要があろう。(フリーではまだ、登られていないのかな?でもロクスノ最新号に馬目さんの大谷不動のMIX情報が出てるくらいだからフリーで登った人もいるのかなー}
 下降時・敗退時はV字スレッドでの下降が可能だと思われる。今回は試みたものの悲しいかな針金を持っていなかったためスクリューを残置してしまった。お金のことよりもこうして、環境を汚してしまうことの方がつらい。もちろん、コースガイドにあるようにボルトでの下降も可能だと思われる。また、スタイル云々よりも完登を追求するのならば、初日に少しでも登ってフィックスしておくと良いと思う。(あたりまえか)

 

初日

 悲しいかな学生のサガでレポート提出のために出発が遅れる。車を交代で運転しながら林道のスタートに立ったのは10:30。シールで登るが、重荷がこたえる。林道では「米子不動まで何キロ」の看板がある。迷うことは無さそうだ。林道からの分岐(橋)からはコースガイドには30分とあり、勢いづくが、結局そこから2時間程度かかってしまう。不動滝の麓でテントを設営すると15時を回っていた。昨晩徹夜でレポートを作成していたため、試登はせずに眠る。

10:30林道−1:30林道より分岐沢を詰める(橋)−15:00滝山館下テントサイト


黒滝左下の小さく見えるのが人

2日目
 
朝まで眠り続け、結局行動開始は7時になってしまった。(これも敗退の原因の一つか)自分たちの力を考えて「かちかち山」を登ろうと思い、取り付きまで行く。しかし、下から見る限りでは氷結が甘く下部は岩が露出している。取り付きまで来るとやはり、氷結状態は悪く氷が見えているところも薄そうだ。そこで、昨日から眺めていた「黒滝」に取り付くことにする。コースガイドも参考にせず、正面から登り始める。(これも敗退の原因か)

 一ピッチ目カネゴンリードでフリーで登るが、10メートルほど登ったところで墜ちてしまう。今度は僕がリードで登る。後で気づいたのだが、このあたりから雨が降り始め、手袋からウェアまでぐっしょりだ。つららの水が伝っている。下部のプロテクションはカネゴンが作っていたので何とか登れる。傾斜が緩くなるあたりで早くも腕がパンプしてしまい、いっぱいになってしまった。下からも見えていたが、他パーティーの残置したスリングがある。結局これにテンションしてしまい、数メートル先のテラスでもアックステンションしながらビレイ点を作った。

 ビレイ点はスクリュー2本とアックス2本それにディレクションでスクリューを一本。とにかく怖いのでたくさんとった。2ピッチ目(本来は1ピッチで抜けるべきだが)は再びカネゴンがリードで登る。

 「フリーにこだわるのはやめよう」といって、見よう見まねのアックステンションかけながらじりじりと登る。やはり15メートルくらい行ったところでビレイ点を作る。そこから今度は僕がリードしようとするも、フォローでもいっぱいで回復しておらず、カネゴンに交代してもらう。カネゴンは2本ばかりプロテクションを取りながら進むが、3本目のスクリューをねじ込む際にテンションしていたアックスが不意に抜け、フォールしてしまった。

 幸いにも各スクリューは抜けず、ビレイヤーの僕も引きずり込まれなかった。この際にカネゴンのアックスが墜ちて無くなってします。二人とも呆然としながらしばらくその場で考え、結局敗退して降りることにした。それでもビレイ点より上部にねじ込んだスクリューは回収しなければならい。最後の力を出してカネゴンがゴボウで登り回収。クライムダウンした。

 懸垂下降にあたって、V字の作成を試みるが、針金を持っていなかったためできず、スクリュー2本で懸垂をすることにした。まずカネゴンが2本のスクリューとバックアップのスクリュー(このスクリューにはテンションがかからないようにして、2本でも降りられるかを見極める)で下降する。その後バックアップスクリューを回収し、2本のスクリューで下降した。

 結局約30メートルのぼるのに6〜7時間かかってしまった。もちろんビレイはずっとハンギングビレーだし、地面に降りたときはさすがにほっとした。今回結果的にカネゴンがフォールしてしまったが、これは僕の力不足でもある。難しそうな所はカネゴンがやるという暗黙の了解がある。カネゴンは精神的にもタフだからそんなところでもやってします。一方僕はというと出来ることなら避けようとしてしまう。僕ももっと鍛えて難しいパートでもリードできるようにならなければならないと思った。

7:00立山館下−8:00黒滝取り付き−14:30敗退決定−15:30滝山館下

 


黒滝約100メートル、中央を登った。

敗退下降

3日目

元気があれば、「奇妙の滝」など登っても良いかと思っていたが、朝方から猛烈な風が吹き始める。テントは終始歪んだままで、気力をそがれてしまった。昨夜から降り続いた雨は夜に雪に変わり30センチ程度の積雪がある。結局8時頃までテントで過ごし、来た道を引き返す。帰りは下りで楽勝と思っていたが、新雪でトレースを消され、期待していた林道の下りも結局スキーで滑ることが出来たのは最後の数キロのみで、お楽しみという感じではなかった。

8:00滝山館下−12:00林道



もちろんハンギングビレイ

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