概要
社会的スキルは、簡単に言うと「人間関係の技術」です。人と話している時に、相手の目を見たり、相手がどんなことを考えているかを読み取ったり・・・本来、このような社会的スキルは日常生活の中で、自然と身につけていくものでした。しかし、人間関係の希薄な現代社会では、子どものうちに社会的スキルを身に付けることができない環境にあると言えます。
このような問題に対して、人間関係を改善させる効果のある「キャンプ」が 社会的スキルの向上に効果があるのではないかという、仮説のもと研究が行われ、効果があることが認められています。
今回の研究では、より日常に近い場面として「長期継続型デイ・キャンプ」(半年や一年という長い期間の中で行われる日帰りのプログラム)の方が、キャンプでスキルを獲得し、それを維持する効果が高いのではないかという仮説の元、研究を行いました。
被験者はデイ・キャンプに継続的に参加した小学5〜6年生の男女35名、対照群としてデイ・キャンプに参加していない小学5〜6年生の 男女23名でした。嶋田ら(1996)の開発した「小学生用社会的スキル尺度」と私の開発した「キャンプ社会的スキル尺度」を用い、検討した結果、デイ・キャンプでは特に参加者の「引っ込み思案行動」が改善されるとことが明らかとなりました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜以下は、修士論文のみの内容です〜〜〜
さらに、引っ込み思案児について、キャンプカウンセラーのインタビュー、ソシオメトリックテスト、さらに前述の尺度から引っ込み思案行動の改善の要因を、検討したところ、特に「特定の他者(大勢ではない)との親密な関係が、引っ込み思案行動の改善に大きな影響を与えたという結果を得ることが出来ました。
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